1. いいぶどうの房を作るには
ぶどう栽培では、5月につきすぎた房を切り落としてサイズを整える作業を行います。品種により、ちょうど良いサイズの房の大きさを作ります。せっかくの房を切り落とすのはもったいないような気もしますが、ぶどうが大きく育ってきたら見計らって房づくりをすることで、残された1粒1粒に栄養が行き渡るようになります。房づくりも品種によって違い、時期や大きさを見て、開花初期に房づくりをすると奇形果になりにくいので、花穂が伸びきる前に1房1房丁寧に行われます。
2. 房づくり
せっかくついた房を切り落とすのには、いくつか理由があります。まずは全体の形が悪くなるのを防ぐためです。房づくりをしないで育てると、エビ反りのような奇形果になってしまう場合もあります。また房が長いと花振いという、粒がちゃんと成長しないといった現象が起きます。養分も1粒1粒に行き渡らずに、粒の肥大に悪い影響を及ぼし均等の取れない粒の大きさを残す事になります。また房が長すぎて手入れも行き届かずに、作業効率も悪くなるといったことが起こります。その為、指標通りに房づくりをする事で、大粒でも甘くておいしいぶどうに育ちます。
3. いいぶどうの房づくりのポイント
房づくりは開花初期に行います。開花初期になると房は伸びなくなるので、切った後になって伸びてくることがないからです。そのタイミングで房づくりをすると、収穫時には粒同士が密着しすぎではなく、ちょうどいい粒や房の大きさになります。その長さは品種などによっても異なりますが、だいたい3.5㎝から4cmです。先端からその長さを正確に残して、粒を切り落とします。その長さの位置の軸は、ぶどうを収穫した時に軸になる部分なので、ハサミで綺麗に切り落とします。それ以上上の部分は、手で削ぎ落としてもいいので、手で削ぐことで作業効率を上げます。これは、種無しぶどうの場合の房づくりです。
種ありぶどうの場合は先端から1cmから2cmを切り、切った先端から7cm~8cm残して、それ以上は切り落とします。
4. 摘心とは
新梢を途中で切る事を摘心と呼びます。摘心は房づくりが終わる5月下旬から7月中旬に行い、新梢の先端を手で摘んで取ります。新梢を摘むと、すぐに副梢が伸びてきます。そこで期間中は繰り返し副梢も摘心します。何故なら副梢を残すと、房に行くはずの栄養が副梢に行ってしまうからです。
摘心は房の先から7節目の先で行うというのが基本になります。副梢は2節残して摘心するのが基本です。2節残すのは葉の枚数を残すためです。副梢に葉を残す事で粒の肥大をさせながら、糖度を上げて着色も良くする働きをするからです。ただ、新梢の根元よりも房の上にある副梢は摘心してはいけません。ここの副梢は糖度を上げるためや、房を日陰にすることで日焼けを防止する役割を果たします。伸びすぎている場合は、葉を10枚程度残して摘心するといいでしょう。
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