1.ぶどうは植えてから何年で収穫できる?
ぶどうの木は植えてから実がなって収穫できるようになるまで何年かかるかご存知でしょうか?「桃栗三年柿八年」という言葉があるように、野菜とは違って多くの果物の木は植えてから収穫できるようになるまでに長い時間がかかります。ぶどうの場合、桃や栗と同じように苗を植えてから2~3年で実自体はなり始めますが、一人前の成木にまで育つまでは実の付きが悪かったり、味わいや風味が劣ることがあります。商品価値が高く、収穫高が安定してくる一人前の成木になるには、最低でも7~8年かかるのです。
2.ぶどうはどれくらい収穫し続けられるの?
成木になったら毎年ずっと美味しいぶどうが実り続けるのかというと、残念ながらそうではありません。中には30年以上にもわたってずっと実をならせ続ける木もありますが、多くは20年程度で弱ってしまうため、植え替える必要があります。まだまだ植え替える必要のない元気な木であっても、突然木の病気にかかったり害虫による被害を受けたりすることもありますし、台風や雪の重みで折れることもあります。ぶどうの木は一度植えればずっと収穫し続けられるというものではなく、定期的に植え替えをしなければならない木なのです。
3.ぶどうの植え替えはどのようにするの?
ぶどうを植え替える際には種を植えるのではなく、「接ぎ木」という方法をとります。なぜなら、ぶどうを種から育てても親と同じ性質を受け継いだ品種ではなく、別の品種になってしまうからです。ぶどうに限らず、多くの果樹は接ぎ木で増やしていくものがほとんどです。そのため、植えたい品種のぶどうの枝を切り取ってから、「台木」という別のぶどうの苗と接いで増やしていきます。
4.接ぎ木をするメリットとは?
ぶどうの植え替えの際には接ぎ木で増やす必要がありますが、接ぎ木で育った苗を植えるメリットは「育てやすい」ということです。育てにくい苗ならこまめな世話が必要なだけでなく、農薬の薬液量も多くなってしまいます。しかし、病害虫や寒暖差に強い台木を選ぶことによって、植え替えた後もすくすくと育ちやすい苗を生み出すことができるのです。
5.接ぎ木をするデメリットとは?
ぶどう農家の多くは自分たちの手で接ぎ木をして増やしていますが、「外部の人が接ぎ木した苗を購入すると割高になる」のがデメリットだといえます。接ぎ木で育てられた苗は手間が掛けられているため、価格にして接ぎ木でないものの2倍以上になることが少なくありません。また、接ぎ木のメカニズムはまだ明らかになっていない部分もあり、「自分の手で行う場合は失敗する可能性がある」ことを忘れてはなりません。接ぎ木はテープによってくっつけるようにして固定された二つの枝がお互いに傷を治そうとする力によって一つに繋がるものです。しかし、100%成功するとは限らず、接ぎ木を行った時期や気温によってはどちらかが枯れてしまうなどの失敗が起きることがあるのです。
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