種ありぶどうと種なしぶどうの違いとは?栽培方法を徹底解説

1.老若男女問わず人気の種なしぶどう

ぶどうには「種があるもの」と「種がないもの」があるのをご存知でしょうか。もともと種のない品種もありますが、種がないものは多くの場合は人工的に作られています。種があるぶどうも美味しいですが、小さなお子様やお年寄りなど誤飲の恐れがある方がいる場合は、種なしぶどうの方が安心して食べることができます。種なしぶどうは種を気にすることなく、その香りや味わいを堪能できるとあって老若男女問わず人気ですが、どのようにして作られているのでしょうか。

 

2.ジベレリン処理とは?

種なしぶどうは、その栽培過程において2度房をジベレリン液に浸す「ジベレリン処理」が行われています。ジベレリンとは、植物ホルモンの一種です。「ホルモン」と聞くと、「そんなものを使った農作物を食べても大丈夫なの?」「体への危険性はないのか?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、植物ホルモンが人間に対して作用することはないので、安心して種なしぶどうを食べることができます。

 

3.ジベレリン処理の作用とは?

種ありぶどうの場合、めしべの柱頭部分におしべの花粉が付くことにによって受粉して、子房の中に種子ができます。この子房が膨らむと実になり、この実を私たちは食べているのです。ジベレリン処理を行うと、その作用で受粉しなくても実ができるようになります。受粉していないため、その結果として種子のないぶどうができるのです。

 

4.開花前に行う1回目のジベレリン処理

種なしぶどうを作るためには2度のジベレリン処理が必要となりますが、1回目は開花前の穂に対して行います。開花の約2週間前となる時期にしなくてはなりませんが、目安となるのはぎゅっと集合していたつぼみたちが一つずつ離れてきた頃です。この1回目のジベレリン処理は、受粉しなくても実がなることを目的として行われます。

 

5.満開になった後に行う2回目のジベレリン処理

1回目のジベレリン処理は開花前でしたが、2回目は花が満開になって10日程度経ってから行います。ぶどうの粒がちょうどマッチ棒の頭くらいの大きさになった頃が目安です。この2回目のジベレリン処理は、1回目の作用で受粉せずとも実った実をより大きくすることを目的として行われます。そのため、たった1回だけジベレリン処理をしても美味しい種なしぶどうができる訳ではないのです。

 

6.種なしぶどうなのに種が残っていることがあるって本当?

時期を見極めながら手間のかかる2度のジベレリン処理を行うことによって種なしぶどうは作られていますが、実は完璧なものではありません。種なしぶどうを食べているはずなのに、種が出てきた経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。それは、品種や成長の度合いによってはジベレリン処理が有効に作用しないことがあるからです。しかし、大抵の場合は有効に作用して種なしぶどうになるので、種を意識することなくぶどうならではの味わいやその芳醇な香りを堪能してみましょう。

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